牛も認める八重洲地下街の南インドカレーの殿堂
東京駅八重洲地下街を徘徊していた吾輩は、ひょんなことから「エリックサウス八重洲店」なる南インドカレー屋に足を向けることとなった。実に人間どもの作り出した地下迷宮は複雑怪奇で、牛の蹄では歩きにくいことこの上ない。いつ行っても八重洲地下街はよくわからないのだ。

エリックサウスという店の正体
この店の特徴を述べよう。2011年、東京駅の八重洲地下街に開いた南インド料理店「エリックサウス」は現在、全国11店舗に拡大しているという、まさに南インドカレー界の革命児である。「南インド料理ブーム」の火付け役にして日本に定着させた立役者と称される店なのだ。
ちなみにこの店は八重洲地下街の「八重洲第二ストリート」にあるので、ここを覚えておくとMapを見た時に絶対に役に立つだろう。。

東京駅八重洲地下街は駅から近いところで外堀通り1,2,3,と横に広がる。その奥に八重洲地下通りが縦に左から1,2となっていることを覚えれば、地下街を半分制圧したようなもんだ。
実に興味深いのは、2010年ごろに都内にほんの数軒しか存在しなかった南インド料理店は2018年前後からメディア上で「ブーム」と囁かれるようになり、その数は今では60軒以上に登るという事実である。つまり、この店は南インドカレーという未開の荒野に、まさに開拓者として降り立ったパイオニアなのだ。牛にとって草原の開拓者は同志のようなものである。

カウンター席が中心、テーブル席は2席ご用意しているという店構えで、現地そのままの味わいには徹底的にこだわりつつ、その中でも特に日本人の味覚や体質に合ったお料理を中心にチョイスしているという。なんとも器用な商売であることか。
地下街の暗がりに潜む小さな南インド王国
店内に足を踏み入れると、まず驚くのがその狭さである。しかしながら、照明が暗くて中々いい感じではある。まるで南インドの夜のバザールを彷彿とさせる、薄暗い神秘的な空間なのだ。牛の目にも優しく、これなら長時間滞在しても疲れることはあるまい。
カウンター席に腰を下ろすと、目の前には厨房が広がり、スパイスの香りが鼻腔を刺激する。人間どもがせわしなく動き回る様は、まさに蟻の巣のようである。
3種のカレーという名の三位一体
吾輩は迷うことなく3種のカレーを注文した。ラインナップは「エリックチキンカレー」「ハニーバターチキン」「野菜カレー」の3種である。まさにカレー界の三位一体、聖なるトリニティではないか。ラインナップは他にもあるのでお好みで選べる。
テーブルには3種のスパイス的なものが置かれている。見るからに怪しげな粉末たちが、小さな容器に鎮座している様は、まるで錬金術師の実験台のようだ。
店員に説明を求めてみた。色々と熱心に説明してくれたのだが、正直なところよくわからなくて、ほとんど聞いていなかった。しかし心配は無用である。なんとテーブルの上の方に説明が書いてあるではないか。人間の親切心とは実に行き届いているものだ。
さて、待つこと数分。ついにやってきた。着丼ドーンだ!!

左からエリックチキン、ハニーバターチキン、野菜の順で並んでいる。まるで軍隊の行進のように整然と配置されたカレーたちは、それぞれが異なる色彩を放ち、見る者の心を躍らせる。サフランライスの黄金の山が中央に聳え立ち、まさに南インドの王宮料理を思わせる華やかさである。
黄金の山を平らにする儀式
野菜カレーからサフランライスにつけて食すことにした。この黄色いライスは山型になっているから、来たらスプーンで平らにならすといいだろう。まるで土木工事のような作業であるが、これも南インドカレーを楽しむための重要な儀式なのだ。
パリパリのクッキーみたいなパパドがついてくる。これもなかなか他では味わえない逸品だ。食べてみると軽やかな食感で、まるで薄い煎餅のような趣がある。インドの知恵とはかくも深遠なものかと感嘆せずにはいられない。
野菜カレーという名の平凡なる序章

野菜カレーは割と普通のカレーであった。特筆すべき個性はないが、それがかえって安心感を与える。まるで牧場の青草のように、馴染み深い味わいである。スパイスの効き具合も穏やかで、カレー初心者にも優しい入門編といったところか。
エリックチキンという名の試練

次にエリックチキンに挑む。おっと、これは辛い!舌先に走る辛味は、まさに南インドの太陽を思わせる激しさだ。チキンの旨味とスパイスの複雑な調和が口の中で爆発し、牛の舌といえども震え上がる。チキンと香味野菜、厳選したスパイスのみで煮込んだ、究極にシンプルなレシピというだけあって、余計なものを一切排除した潔い辛さである。
しかし、この辛さこそが南インドカレーの真髄なのだろう。辛さの向こうに広がる深い味わいは、まるで修行僧が悟りを開くための試練のようだ。
ハニーバターチキンという名の至福

そして運命のハニーバターチキンである。うむ、これは実に旨い!これは吾輩がかなり気に入った逸品だ。甘くておいしいのだ、実におすすめである。
蜂蜜の甘さとバターのコクが絶妙に絡み合い、チキンの旨味を包み込んでいる。まるで天使が舌の上で踊っているような感覚だ。これまでのカレー人生で味わったことのない新しい境地である。甘さと辛さのハーモニーは、まさに音楽のように美しい。
時々サラダを食し、口の中をリフレッシュさせながら食べ進める。青菜の爽やかさが、スパイスで火照った口内を優しく冷ましてくれる。
サフランライスのおかわりという名の贅沢

サフランライスは1回だけおかわり無料ということなので、早速おかわりをすることにした。この黄金の粒たちを無料でもう一膳いただけるとは、なんという太っ腹な計らいであろうか。まるで王様になったような気分である。
コストパフォーマンスという名の感動
これで1,430円だから、納得のコスパだろう。東京駅という一等地でこの価格は、まさに企業努力の賜物である。牛の感覚からすれば、良い牧草地の使用料よりも安いのではないかと思うほどだ。
店員の接客も実に申し分ないほど、素晴らしかった。スパイスの説明から食べ方のアドバイスまで、まるで南インド料理の伝道師のような熱意で対応してくれる。人間の中にもこれほど親切な者がいるのかと、牛ながらに感動を覚えた。
牛なりの結論
吾輩がこの店で学んだことは、南インドカレーとは単なる食事ではなく、一つの文化体験であるということだ。3種のカレーそれぞれが異なる表情を見せ、食べる者の心を豊かにしてくれる。
南インド料理ブームの火付け役となったこの店の功績は計り知れない。牛の立場から見ても、これほど多様性に富んだ食文化を日本に根付かせた功労者として、エリックサウスは南インドカレー界の名店と呼ぶに相応しい。
ただし、辛いものが苦手な牛諸君にはハニーバターチキンを強く推奨する。これは間違いなく、この店の隠れた名品である。
吾輩は牛である。名前はまだないが、南インドカレーの奥深さを知った牛である。
投稿者プロフィール

- 大富豪になっても結局食と旅
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吾輩は牛である。 名はモウモウである。 なんでも自由ヶ丘というハイカラな街のきらびやかなショーウィンドーの中でもうもう泣いていたことだけはとんと記憶している。
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