【横浜珍道中】小学生以来の衝撃の工場見学!崎陽軒シウマイ工場見学で見た、真実のグリーンピース秘話

  • URLをコピーしました!

先日、「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」の華やかな午前を過ごし、そのまま横須賀の軍艦と対峙するという、めまぐるしい一日を経験したばかりだというのに、主人のやつはまたしても、奇妙な計画を練り始めていた。今度は「横浜崎陽軒のシウマイ神奈川工場の見学」であるという。聞けば、主人は幼少の頃、小学生の頃に目を輝かせながらトミーのミニカー工場を見学したことがあるそうだ。それが高じてか、インターネットなるもので工場見学を申し込んだというのだから、相変わらずこの男の行動は読めない。聞けばこの崎陽軒のシウマイが好物なのだとか。まったく、私の牧歌的な日常は、この主人のおかげで、もはや冒険の連続である。

もしかしたら、あの崎陽軒のシウマイが、工場でタダで食べられるのではないか、という下心があったのかもしれない。人間とは、えてしてそういうものである。私はその浅はかな期待を胸に、主人の後を追うことと相成ったのである。

シウマイへの道、そして我が主の足癖

JR小机駅に降り立つと、そこには何の変哲もない住宅街が広がっていた。主人の持っているGoogleマップを覗き見ると、工場までは軽く二十分以上は歩くようである。やはりこの男は、歩くのが好きな生き物である。アスファルトの照り返しが容赦なく蹄に響き、私は内心うんざりしたが、主人はどこ吹く風とばかりに、スタスタと前を歩いていく。普段から水分をあまり摂らぬ彼の体力と、歩行への飽くなき情熱には、もはや畏敬の念さえ抱いてしまう。

シウマイ王国の歴史を紐解く

ようやく、目的の「崎陽軒のシウマイ神奈川工場」に到着した。

入口には「ひょうちゃん」のイラストが描かれた看板が掲げられ、早くも工場見学への期待が高まる。受付を済ませ、工場見学のビデオ鑑賞からスタートである。ここで、私は崎陽軒の奥深い歴史を知ることとなった。

崎陽軒の創業は明治三十七年(1904年)。横浜駅(現在の桜木町駅)構内で売店を開業したのが始まりだという。しかし、当初は洋食中心で、シウマイを扱っていたわけではないらしい。転機が訪れたのは昭和三年(1928年)。当時の二代目社長である野並茂吉氏が、横浜名物となるようなものを考案しようと、中国の点心「焼売(シュウマイ)」に着目したのだという。しかし、当時の日本人の舌には、本格的な焼売は少々脂っこすぎたらしい。そこで、日本人の味覚に合うよう試行錯誤を重ね、誕生したのが、あの崎陽軒のシウマイなのだ。

驚くべきは、そのこだわりである。崎陽軒のシウマイは、保存料や余計な添加物を一切使用していないという。だからこそ、賞味期限は短いのであるが、それが新鮮さと安全の証でもある。そして、シウマイの上にちょこんと乗っているグリーンピース。私はてっきり、あのグリーンピースは飾りだと思っていたのだが、崎陽軒のシウマイは、グリーンピースが上に乗っているのではなく、餡の中に混ざっているというのだから、驚きである。だからこそ、たまにグリーンピースが一つも入っていないシウマイがあるのかもしれないと、主人は小声で呟いておった。なるほど、これぞまさに「崎陽軒のグリーンピース問題」である。

ひょうちゃん、愛されキャラの誕生秘話

数々の歴史あるひょうちゃんたち

ここで、シウマイ弁当でお馴染みのあの醤油入れ、「ひょうちゃん」の歴史についても触れておこう。ひょうちゃんが誕生したのは昭和三十年(1955年)。シウマイ弁当の醤油入れとして、陶器製のひょうたん型容器が採用されたのが始まりである。当初は無地であったが、可愛らしいデザインを求めて、漫画家の横山隆一氏に依頼し、現在の愛らしい表情の「ひょうちゃん」が誕生したという。なんと、ひょうちゃんの顔のバリエーションは百種類以上もあるというから驚きである。

私は、ひょうちゃん一つにもこれほどの歴史と物語があったとは、と感銘を受けたものである。

冷めても旨いシウマイ、駅弁の哲学

そして、崎陽軒のシウマイを語る上で欠かせないのが、「冷めても美味しいシウマイ」の誕生秘話である。シウマイを駅弁として売る際、最大の課題は「温かくないと美味しくない」という点であったという。そこで、茂吉氏は、冷めても美味しく食べられるシウマイを考案した。それは、豚肉と干し貝柱の絶妙なバランス、そして独自の製法により実現されたものらしい。まさしく、駅弁としてのシウマイを完成させた、画期的な発明である。

さらに、駅弁のパッケージも地域によって異なるというから、その企業努力には頭が下がる。横浜だけでなく、東京や神奈川県内の様々な場所で、それぞれの地域限定のパッケージが用意されているのだ。これは、単なる弁当ではなく、旅の思い出の一部として、地域性を大切にしている証であろう。崎陽軒は、シウマイを通して、日本人の旅の風景を彩ってきたのだ。

シウマイ工場のシンフォニー:リズミカルなラインの神秘

いよいよ、工場見学のメインイベント、シウマイの製造ラインの見学である。ガラス越しに広がる工場内は、まるで巨大な機械仕掛けのオーケストラであった。シウマイの餡が練り上げられ、皮に包まれ、蒸し上げられる工程が、驚くほどのリズムと速さで進行していく。

まず、ミンチにされた豚肉と、細かく刻まれたタケノコや玉ねぎ、そして干し貝柱などが、巨大なミキサーで混ぜ合わされる。その滑らかな動きは、まるで魔法を見ているようである。次に、熟練の職人の手さばきを再現したかのような機械が、一枚一枚のシウマイの皮に餡を乗せ、見事な速さで包んでいく。その正確さと手際の良さには、思わず感嘆の声が漏れる。人間業とは思えぬほどのリズミカルな動きである。まるで、工場全体が生き物のように脈打っているかのようであった。

そして、蒸し器のラインへと流れていくシウマイたち。白い蒸気が立ち上る中、シウマイはふっくらと膨らみ、食欲をそそる香りが工場内に充満する。最後に、蒸し上がったシウマイが、冷却され、一つ一つ丁寧にパッケージングされていく。この一連の工程は、まさに芸術であった。無駄のない動き、完璧な連携。私も思わず見入ってしまい、時間の経つのを忘れておった。

シウマイ娘と、見学の余韻

ここで、崎陽軒を語る上で外せないもう一つの存在、「シウマイ娘」についても説明があった。シウマイ娘とは、昭和三十三年(1958年)から駅構内や百貨店などでシウマイを販売していた女性販売員のことで、その清楚な姿と丁寧な接客は、当時の人々に愛されたという。現在ではその姿を見ることは少なくなったが、崎陽軒の歴史の一部として、今もなお語り継がれる存在である。

この人達が一世を風靡していたのか

待望の試食、そして新たな食の発見

約一時間半にわたる工場見学は、非常に充実した内容で、私にとっても大変勉強になった。そして、いよいよお待ちかねの試食会である! 主人の目は、まるで空腹の狼のように輝いておった。試食会場では、温かいシウマイが二個、そして崎陽軒の隠れた人気商品である「タケノコの切り身」、さらには「シウマイサブレ」が用意されていた。

ボリューミーでうまいのだった

まずは、温かいシウマイを一口。口に入れた瞬間、豚肉の旨味と干し貝柱の風味が広がり、そしてタケノコのシャキシャキとした食感が絶妙なアクセモウモウである。ああ、やはり崎陽軒のシウマイは、温かいのも格別である。これは、工場見学に来た者だけが味わえる特権であろう。主人のやつも、至福の表情でシウマイを堪能しておった。

そして、人気のタケノコの切り身。これは、シウマイ弁当にも入っているお馴染みのものであるが、工場で食べる出来立てのそれは、また格別である。シャキシャキとした食感と、ほんのり甘辛い味付けがたまらない。これだけで売って欲しいという声があるのも納得である。最後に、シウマイサブレ。シウマイの形をしたサブレで、サクッとした食感と、ほのかにシウマイの風味がする、なんともユニークな菓子であった。

旅の終わりと、尽きぬ探求心

充実した工場見学を終え、我々は工場内の売店へと立ち寄った。主人は、迷うことなく「シウマイ六個入り」を購入していた。今日のランチはこれにしようと、満足げにほくそ笑んでおる。まったく、現金な男である。

私にとって、工場見学は初めての経験であったが、実に面白く、興味深い体験ができた。普段何気なく口にしている食べ物が、どのような工程を経て作られているのかを知ることは、食への理解を深める上でも大変有意義である。皆も機会があれば、ぜひこのような体験をするといいだろう。特に年齢がまだ若いうちに体験すると、社会の仕組みや、ものづくりの大切さを肌で感じることができ、将来の選択にも役立つであろう。

家に帰ってから、主人のやつはまたしてもインターネットで何かを検索しておる。彼の指が止まった先には「キューピーの工場見学」の文字が。やれやれ、本当にすぐに影響される性格である。きっとまた、我輩は連れ回され、歩かされるのだろうな。私の牧歌的な日常は、まだまだ遠い道のりのようである。

投稿者プロフィール

モウモウ
モウモウ大富豪になっても結局食と旅
吾輩は牛である。 名はモウモウである。 なんでも自由ヶ丘というハイカラな街のきらびやかなショーウィンドーの中でもうもう泣いていたことだけはとんと記憶している。

もっと詳細が知りたいもの好きなあなたはプロフィール欄の記事を読んで欲しい

にほんブログ村:押してもらえると嬉しいです

東京食べ歩き:読んだ印に押してもらえると拡散します

旅行ブログ:読んだ印に押してもらえると拡散します

カフェ:押してもらえると記事が拡散されるので嬉しいな

吾輩を押してもらうと喜びます

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

友達にもシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次