市ヶ谷「No.4」女子率脅威の99%カフェで吾輩が感じた居心地の悪さ|チーズパンと塩キャラメルラテ実食

  • URLをコピーしました!

今宵はご主人と共に市ヶ谷へ向かった。ご主人が「市ヶ谷に降りるの何て就活以来だ」と懐かしそうに呟いていた。吾輩にはその感慨は理解できないが、ともかくJR市ヶ谷駅から坂道を歩き始めた。

平日夜7時前に到着。駅から坂を歩いてしばらくすると、夜のはざまにオシャレな建物が浮かび上がってくる。コンテナハウスのような独特な形状、木々に囲まれた平屋建て、そして温かな光。これが「No.4」Cafeである。

オシャレな入口
目次

この店の特徴――7つのハンドクラフトという野心

「カフェでもベーカリーでもレストランでもない。No.4は7つの『ハンドクラフト』を結集し、ひとつにした空間」 No4だという。

具体的には、自家製天然酵母や厳選された原料を使って焼き上げるパン、薪窯で焼き上げるピザ MENU « No4、そしてコーヒー、紅茶、ワイン、クラフトビールなど、あらゆる「手作り」を集約した店なのである。

湯種製法で仕込んだブリオッシュを使ったオリジナルのフレンチトーストは、塩ホイップとのバランスが秀逸 だと評判で、食べログカフェ百名店にも選出 されている実力店だ。

アクセスも良好で、麹町駅から徒歩5分、市ヶ谷駅から徒歩5分 という立地。営業時間は朝8時から夜21時まで モーニングからディナーまで対応する懐の深さも魅力である。

ここに負けじとオシャレなCafeにはいくつか言った記憶がトンとしているのだ

店の歴史――2015年の野心的船出

この店の歴史を辿ると、2015年12月1日にオープン している。運営は表参道CICADAや代官山IVY PLACEを運営するタイソンズアンドカンパニー で、都内一等地に数多くの飲食店を展開する企業だ。

コンテナハウス型の斬新な店舗デザインで、レストラン、カフェ、ベーカリーを一線を画す、自由でカジュアルな雰囲気を持つスポット として誕生した。店名の「No.4」は、住所が千代田区四番町であることに由来するシンプルかつ粋なネーミングである。

吾輩もご主人と同伴したあのT.Y.ハーバーもこの会社だったらしいのだ。

女子率99%の衝撃――吾輩とご主人の孤立

こんなオシャレ具合じゃぁ、ウキウキしてくるではないか!だが結論から言うとウキウキできたのはここまでだということはこの時まだ知る由も無かったのだ。

店頭にはすでに3組の待ち人がいる。「この時間でも待つものなのか?」と吾輩は驚いた。だが、もっと驚いたのは、その全員が女子だったことである。下の写真を見てみるがよいだろう

男は我々のみだ。ちょっときまずい。いや、だいぶ気まずい。もはや無間地獄かと思う様相を呈してきた。心なしかご主人は脂汗をかいている。それは「しまった、、下調べが甘かったか」と言っている気がした。

吾輩は牛の顔で周囲を見渡した。若い女性たちが、スマホを構え、談笑し、期待に満ちた表情で店内を待っている。吾輩とご主人は、まるで迷い込んだ異邦人のようだった。もう一度言おう。360度全て女子。男子はスタッフと我々のみだ。吾輩はガマの油を思い出していた。隣でご主人がモジモジしている。

だが、意外にも5分程で呼ばれる。意外と早かった。

店員が「奥のテラス席でもよろしいでしょうか?」と尋ねてきた。何があるのかわからんが、「あ、自分達オジサン達はどこでもいいです。なんなら粉袋の上とかに座ってもいいですよ」とご主人が答えた。吾輩も頷いた。ご主人はすっかり気まずさがMaxに達しているらしい。しかしテラス席というのは、外の空気が吸える場所らしい。悪くはない。とは言っても屋根はついているのだが。

QRオーダーという現代の儀式

席に着くと、店員が

スタッフ

この店は初めてですか

と尋ねてきたのでご主人が

ご主人

あ、なんだかすみません、初めてきちゃいました

と本音がダダ洩れ状態で答えると、女性店員は笑顔でさわやかに「QRコードでご注文をお願いします」と案内された。

ラーメンエディでもそうだったが、最近どこでもこれだ。スマホを取り出し、QRコードを読み取り、メニューを眺める。吾輩は蹄でスマホを操作するのに慣れている。

メニューを見ると、周りのキラキラ女子達は甘いスイーツを頼んでいた。フレンチトーストやら、パンケーキやら、季節限定のピスタチオ何やらである。だが、吾輩らには無理だ。甘すぎるものは胃がもたれる。

ご主人は早くもギブアップ状態で

ご主人

こんな360度女子のいるオシャレなテラス席より、やっぱり粉袋かなんかの上の方が落ち着きそうだな

と意味不明なことを言い出し始めた。

そこで、ご主人はレジ横のブレッドコーナーへと向かった。この状況でパンケーキなど頼めるメンタルはないようだ。陳列されているのは、クロワッサン、パンオショコラ、そしてチーズの乗ったパンである。吾輩はチーズが好きだ。迷わずこれを選んだ。

ドリンクは「塩キャラメルラテ」を注文。塩とキャラメルの組み合わせは、甘さと塩気のバランスが絶妙なはずだ。

着パンドーンだ!!

チーズの乗ったパンをレジで買って主人は席にもどってきた。その間客席をすり抜けていくのだが、全員女子なのだ。席についた主人はベトナムから帰ってきた帰還兵のごとく安堵とした表情を浮かべていたのはここだけの秘密だ。パンは温かく、チーズがとろりと溶けている。見た目は素朴だが、香りが良い。

レジ脇のベーカリーコーナーから買った戦利品

一口齧る。チーズの塩気とパンの甘みが口の中で混ざり合う。悪くない。いや、むしろ美味しい。だが、吾輩の心は穏やかではなかった。そしてしばらくして塩キャラメルラテが運ばれてくる。もちろん女性スタッフが持ってきてくれた。

塩キャラメルラテはうまかった

マジで全員周りは女子しかいないのだ。大事な事なのでもう一度言う。全員女子なのだ。男子ら諸君が色気を出してオシャレなCafeに行きたい。ましてや男同士ともなれば『悪いことは言わんからDOUTORにしておけ』というだろう。もう一度これを見てもまだ男子だけで行く気はあるか?

吾輩は周囲を観察した。会社帰りの女子2人組が圧倒的多数を占めている。その密度たるや、おそらくラッシュ時の東西線の乗車率をも凌駕しているであろう数値を叩き出していた。

だが、この世界線ではそんな殺伐とした風景は皆無だ。テラス席には若い女性たちがスマホを構え、フレンチトーストを撮影している。店内にも、カウンターにも、どこを見ても女性、女性、女性。キラッキラの圧倒的な女子率120%だ。男は吾輩とご主人だけである。結婚式に行ったら、誰とも面識のない親族のテーブルに座ったような気まりの悪い時間を過ごした。

仕方ないのでスマホをスクロール

ご主人は塩キャラメルラテを啜りながら、「ここ、デートで使えそうだな」と呟いた。吾輩は無言でパンを齧った。

確かに、この店はデート向きである。オシャレな内装、温かい照明、緑に囲まれたテラス席、そして「ハンドクラフト」という響きの良いコンセプト。女性を連れてくれば、間違いなく喜ばれるだろう。

だが、男二人で来る場所ではない。いや、正確には「牛一頭と人間(男)一人」で来る場所ではない。

吾輩は仕方なくスマホをスクロールし始めた。ニュースを読み、SNSを眺め、カフェタイムをやり過ごした。ご主人も同じようにスマホを見ていた。我々は、無言で時間を消費した。吾輩は思った

モウモウ

一体、この時間何なんだよ?

パンは美味しかった。塩キャラメルラテも悪くなかった。だが、居心地は悪かった。これは、食べ物の問題ではない。空間の問題である。女子が何千人いようが俺は自分の道を貫くのみだ。という強者なら別だが、もう一度これを見てから言えるのなら吾輩は止めない

これを見ても男だけで入れる自信があるかい?ましてや一人で入れるのか、君は?入れないだろ?そうだよ、入れるわけないのだ。吾輩達はそんな勇気もなかったが、入店してしまった。そして居心地の悪い時間が流れたのだ。我々は一言も会話していない気がする。

吾輩の確信――ここはドトールではない

吾輩は確信した。

ここは気軽にドトールのようにフラッと入るところじゃなく、計算高くデートで女子をうっとりさせるためのカフェなのだ。

ドトールは、サラリーマンが一人で入り、新聞を読みながらコーヒーを飲む場所である。だがNo.4は違う。ここは、「私、こんなオシャレなカフェ知ってるの」とアピールするための場所である。Instagram映えするフレンチトーストを注文し、テラス席で笑顔の写真を撮り、「今日はいい一日だった」と投稿する。そのための舞台装置である。

吾輩のような牛が一人で来る場所ではない。いや、ご主人と二人で来る場所でもない。

お会計する時には男性スタッフが対応してくれたのだが、その目は

スタッフ

君たち場所間違えてね?

とでも言わんばかりの憐みの目を我々に送っていた。少なくとも吾輩にはそう感じた。吾輩の脳裏にはローリングストーンズの「悪魔を憐れむ歌」が流れていた。

そそくさと退店――明日はドトールへ

吾輩はそそくさとカフェを後にした。ご主人も同じ気持ちだったらしく、無言で店を出た。

夜の坂道を下りながら、吾輩は思った。

明日はドトールにいこう。

ドトールなら、誰も吾輩を見ない。誰も吾輩を気にしない。吾輩は一人でコーヒーを飲み、パンを齧り、静かに反芻する。それで十分である。

No.4は素晴らしいカフェである。パンも美味しい。コーヒーも良い。だが、吾輩にはこのCafeは合わなかった。いや、正確には「吾輩が合わせるべき場所ではない」のだ。

結論――計算されたデートスポット

No.4は、7つのハンドクラフトを結集した空間 No4であり、フレンチトーストが人気のベーカリーカフェ である。女性客が多く、Instagram映えする料理と空間が揃っている。

吾輩は牛である。だが今日、吾輩は人間社会の「空気」を読んだ。そして、静かに退散した。明日はドトールで、誰にも邪魔されずにコーヒーを飲もう。それが、吾輩らしい生き方である。

店舗情報

  • 店名:No.4
  • 住所:東京都千代田区四番町5-9
  • 最寄駅:麹町駅徒歩5分、市ヶ谷駅徒歩5分
  • 営業時間:8:00~21:00(L.O. 20:30)
  • 定休日:無休(正月休みあり)
  • 食べログ:カフェ百名店選出

投稿者プロフィール

モウモウ
モウモウ大富豪になっても結局食と旅
吾輩は牛である。 名はモウモウである。 なんでも自由ヶ丘というハイカラな街のきらびやかなショーウィンドーの中でもうもう泣いていたことだけはとんと記憶している。

もっと詳細が知りたいもの好きなあなたはプロフィール欄の記事を読んで欲しい

にほんブログ村:押してもらえると嬉しいです

東京食べ歩き:読んだ印に押してもらえると拡散します

旅行ブログ:読んだ印に押してもらえると拡散します

カフェ:押してもらえると記事が拡散されるので嬉しいな

吾輩を押してもらうと喜びます

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

友達にもシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次