吾輩は牛である。名前はモウモウである。
今日は主人のとある一日を観察したところ、カレー屋に行く様子であったのでレポートする次第だ

フランス語講座に撃沈した主人
吾輩の主人は、この間フランス語講座なるものに出向いたのである。主人は何を血迷ったか、突然フランス語を習得せんと決意し、意気揚々と午後の講座に参加したのであるが、結果は惨憺たるものであった。「ボンジュール」すら満足に発音できぬ主人は、講師の流暢なフランス語を前に完全に撃沈し、まるで異国の言葉の海に溺れる遭難者の如き有様であったのである。

弱った時にこそうまいものを食べないとだよな?
な?な? そうだよな?
講座を終えた主人の心境は、さながら雨に打たれた野良犬のようであった。自分の語学力の無さに打ちひしがれ、自信を失った主人は、何か美味しいものでも食べて気分を慰めようと思い立ったのである。そこで思い浮かんだのが、以前から気になっていたインドカレーの店であった。スパイスの刺激で、フランス語の屈辱を洗い流そうという魂胆であろう。なんとも現金な話である。
これまでもカレーの話は何度かしているので、気になる人は他のカレーも参考にされたし








インド定食ターリー屋 新宿西口店
主人が目をつけたのは「インド定食ターリー屋 新宿西口店」なる店である。インターネットなる文明の利器で調べてみると、なかなかに興味深い情報が出てくるのである。この店は本格的なインド料理を手頃な価格で提供するという触れ込みで、特にターリーという定食スタイルが売りらしい。


口コミを見ると「コストパフォーマンスが良い」「本場の味」「ボリュームたっぷり」などという文言が踊っているのである。しかしながら、世の中の口コミというものは往々にして大げさなものであるから、主人も半信半疑の態度を崩さなかった。それでも、フランス語の敗北感を癒すには十分な期待値を持っていたのは確かである。
また、新宿という立地柄、多くのサラリーマンや学生に愛されているという情報もあった。昼時には行列ができることもあるらしく、それなりに人気を博している様子である。主人は「これは期待できるかもしれぬ」と独り言を呟いたものである。
ターリー屋の成り立ちや歴史
ターリー屋の歴史を紐解くと、なかなかに興味深いものがあるのである。この店は本場インドの家庭料理を日本人にも親しみやすい形で提供することを目指して開業されたらしい。ターリーとは、インドの伝統的な定食スタイルで、一つの皿に様々なカレーや副菜を盛り付けて提供するものである。
創業者は本場インドでの修行経験を持つ人物で、現地の味を忠実に再現することに情熱を注いできたという。日本人の舌に合わせつつも、本場の香辛料の使い方や調理法は妥協しない姿勢を貫いているのだそうである。
新宿西口店は、そんなターリー屋チェーンの中でも比較的新しい店舗の一つである。新宿という激戦区で生き残るために、味はもちろんのこと、価格設定にも細心の注意を払っているのである。主人はこうした背景を知り、「なるほど、それで評判が良いのか」と納得した様子であった。
いざ、インド定食ターリー屋 新宿西口店へ突撃せんとす
さて、主人がいざその店に向かうと、なるほど場所がビルの奥にあって少々分かりにくいのである。新宿の雑踏に慣れた主人でさえ、一度は通り過ぎてしまったほどである。「こんな場所で商売が成り立つのか」と疑問に思ったが、隠れ家的な雰囲気もまた一興であろう。


店内に入ると、先客は一名のみであった。平日の中途半端な時間帯であったから、さほど混雑していないのも当然である。主人は窓際の席に陣取ると、外の景色を眺めながらメニューを検討し始めた。
程なくして、インドだかネパールだかの人がオーダーを取りに来たのである。主人の語学力では、その人の出身地を正確に判別することは不可能であったが、流暢な日本語で接客してくれるのは有り難いことであった。フランス語で痛い目に遭った主人には、なおさらその親切が身に沁みたのである。
主人は2色カレーを注文した。バターチキンとキーマカレーの組み合わせである。「キーマだったかな?」と若干記憶が曖昧な様子であったが、とにかく肉系のカレーを二種類選んだのは確かである。そして、ナンではなくライスを選択したのである。主人曰く「やはり日本人たるもの、米でなくては腹が満たされぬ」とのことであった。


注文を済ませると、一息つく間もなくすぐに料理が運ばれてきたのである。「着丼ドーンだ!」という擬音が似合うような、堂々たる盛り付けであった。


色とりどりのカレーがライスと共に皿に並び、見た目にも食欲をそそるものであった。


ここで主人は、なぜかインドカレーとネパールカレーの歴史について語り出したのである。「インドカレーは古代から続く伝統料理であり、各地方によって特色が異なる。一方、ネパールカレーはインドの影響を受けつつも、独自の発展を遂げてきた」などと、まるで学者のような口調で説明し始めたのである。フランス語では散々であった主人も、こと食べ物の蘊蓄に関しては饒舌になるものである。
肝心の味であるが、主人の評価は「ごく普通」というものであった。特別に感動するほどの美味しさではないが、かといって不味いわけでもない。しかしながら、値段を考慮すると、コストパフォーマンスは悪くないのではないかというのが主人の結論である。
バターチキンカレーはクリーミーでマイルドな味わいで、日本人好みに調整されている印象であった。キーマカレーの方は、挽肉の旨味とスパイスのバランスが取れており、ライスとの相性も良好であった。量も十分で、お腹を空かせた主人も満足できる内容であったのである。


後日談
その後、主人はこの店のことを友人たちに話したのである。特に、同じくフランス語講座で撃沈した友人には「慰めの食事場所」として強く推薦したらしい。「語学の挫折には香辛料が効く」というのが主人の持論である。
また、主人は後日、今度はナンを注文してみようと考えているようである。「ライスも良いが、やはりインドカレーには本場のナンも試してみたい」と言っているのを吾輩は聞いたのである。懲りない主人である。
さらに、主人は店員の出身地について調べようと思い立ったらしい。「インドなのかネパールなのか、はたまた他の南アジアの国なのか、次回は勇気を出して聞いてみよう」と意気込んでいるのである。フランス語は駄目でも、英語くらいは何とかなるだろうという楽観的な考えである。
結論として、主人にとってこの店は「フランス語の屈辱を癒してくれた恩人」のような存在になったのである。味は平凡でも、心の傷を癒してくれる食べ物には、それなりの価値があるものである。今後も主人は、何か嫌なことがあった時には、この店を訪れることになるかもしれない。
吾輩は牛として、主人のこうした人間らしい行動を微笑ましく見守っているのである。人間とは実に単純な生き物で、美味しいものを食べると簡単に機嫌が直ってしまうものである。それもまた、愛すべき特徴の一つであろう。
かくして、インド定食ターリー屋 新宿西口店は、主人の心の支えの一つとなったのである。コストパフォーマンスの良さと、心の慰めを求める人々にとって、なかなかに価値のある存在と言えるのではないだろうか。
めでたし、めでたし。


投稿者プロフィール


- 大富豪になっても結局食と旅
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吾輩は牛である。 名はモウモウである。 なんでも自由ヶ丘というハイカラな街のきらびやかなショーウィンドーの中でもうもう泣いていたことだけはとんと記憶している。
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