今日は同行者のマロン君と共に、新宿小滝橋通りにある「ラーメン龍の家」へと赴いた。マロン君はラーメンに対する情熱だけは誰にも負けない男である。19時頃、店の前に到着すると、案の定、8人ほどの行列が形成されている。
確かに、列に並ぶ人々の大半は外国人観光客のようだ。「家ってついてるから家系かと思ったけど、違うらしいな。久留米豚骨だってよ」
吾輩は静かに列の後ろにつく。西武新宿駅北口から徒歩5分という立地 そして2009年7月11日にオープン したこの店は、2007年に東武百貨店池袋店で期間限定出店を経て、関東路面店1号店として新宿に進出 したという。つまり、福岡久留米から東京へと進出した本格派豚骨ラーメン店なのだ。
「この店の売りはな、豚骨100%の濃厚スープらしいぞ」とマロン君が続ける。豚の頭の骨と水のみを高温で炊き上げた、豚骨100%の濃厚スープ が自慢だという。「店内では方言も飛び交うって書いてあったな。久留米の雰囲気を楽しめるんだと」
吾輩は黙ってうなずく。行列はゆっくりと進み、30分ほど待っただろうか。ようやく店内へと通される。18席 というコンパクトな空間、カウンター席のみの潔い造りだ。
マロン君はすかさず食券機へと向かい、「つけ麺もつ」のボタンを押す。「1,150円か。もつが入ってるのが面白いよな」吾輩もそれに倣い、同じく「つけ麺もつ¥1,150」を注文した。
席に着くと、厨房からは威勢の良い声が飛び交う。確かに九州の言葉のようだ。活気があり、まさにラーメン激戦区で勝負している店の空気を感じさせる。
「しかしすごい行列だったな。いつ来ても並んでるらしいぞ」とマロン君。吾輩は思う。この店の成功は、単に味だけではないのだろう。立地、価格設定、そして何より「本場の味」という物語性。インバウンド客が殺到するのも頷ける。
やがて、湯気を立てた丼が運ばれてくる。着丼ドーンだ!!

目の前に現れたのは、250gの麺が別皿に盛られ、濃厚な豚骨スープがたっぷりと注がれた器。そしてその上には、もつがゴロゴロと乗っている。
「おお、これは見た目からして濃厚だな」とマロン君が興奮気味に言う。「これで1,150円は悪くないぞ」
吾輩は静かに麺をスープに浸す。一口啜ると、確かに濃厚だ。豚骨の旨味が凝縮されたスープは、まさに九州久留米の血統を感じさせる。もつのプリプリとした食感と、豚骨スープの相性も良い。内臓の持つ独特の風味が、スープの濃厚さと絡み合い、複雑な味わいを生み出している。
「うまいじゃないか!これは並ぶ価値ありますね」とマロン君は箸を休めることなく麺を啜り続ける。「久留米ラーメンって独特だよな。博多とも違う。もっとこってりしてる」
吾輩は考察する。この店が成功している理由は何か。まず第一に、ラーメン激戦区で本場九州の豚骨ラーメンで勝負している という明確なポジショニング。東京には無数のラーメン店があるが、久留米豚骨という特定のジャンルに特化することで、差別化を図っている。
第二に、もつという変化球。つけ麺にもつを組み合わせるという発想は、伝統的な久留米ラーメンの枠を超えた挑戦だ。これがインバウンド客にも受けているのだろう。彼らにとって、日本のラーメンは一つのエンターテイメントであり、もつという内臓肉の組み合わせは、よりディープな日本食体験を提供している。
第三に、価格と量のバランス。1,150円で250gの麺、そしてたっぷりのもつ。コストパフォーマンスは悪くない。観光客にとっても、地元客にとっても、納得できる価格帯だ。
「麺も太めでいいな。スープによく絡む」とマロン君が言う。「もつもいい仕事してるよ。豚骨との相性抜群だわ」
吾輩は黙々と食べ進める。確かに、この店には独自の魅力がある。2009年のオープンから15年以上 この地で行列を作り続けているのは、決して偶然ではない。
「ごちそうまでした!」とマロン君が満足げに言う。「また来ましょう。次は普通のラーメンも試してみたい」
店を出ると、まだ行列は続いている。吾輩は思う。この店は、東京というグローバル都市における一つのメタファーなのかもしれない。地方の味が、都会で進化し、世界中の人々を惹きつける。久留米から始まった豚骨スープの旅は、新宿という交差点で、新たな物語を紡いでいる。
吾輩は牛である。そして今日、吾輩はもつを食べた。牛が内臓を食べるというアイロニー。しかし、それもまた、この多様な食の世界における一つの真実なのだろう。
投稿者プロフィール

- 大富豪になっても結局食と旅
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吾輩は牛である。 名はモウモウである。 なんでも自由ヶ丘というハイカラな街のきらびやかなショーウィンドーの中でもうもう泣いていたことだけはとんと記憶している。
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