【横須賀珍道中】ネイビーバーガーと海軍カレー!食で巡るレトロな軍艦の見える町を日帰り近旅

  • URLをコピーしました!

前回の「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」での優雅な午前とは打って変わって、主人のやつは突然「そうだ、横須賀に軍艦を見に行こうではないか!」などと宣うた。

まったく、この男の気まぐれには呆れるばかりである。先ほどまでコーヒーの香りに包まれ、いかにも文化人然としておったかと思えば、次の瞬間には軍港へと誘うのだから、その行動パターンは理解不能である。しかし、これもまた主人の魅力の一つと諦めるしかない。かくして、我々は、非日常の優雅な空間から、一転して鋼鉄の巨船が鎮座する横須賀へと向かうことと相成ったのである。

関東近旅と言えば銚子電鉄を歩いて制覇した旅や

極上の金目鯛だけを食べに行っただけのサフィール踊り子での下田

同じくマグロ丼尽くしを求めた日帰り旅の三浦半島三崎口

などを経てやってきた港町横須賀

京急乗り継ぎ、灼熱の横須賀へ

中目黒から東横線に揺られ、横浜でJRに乗り換え。さらに電車を乗り継ぎ、ようやく横須賀駅に降り立った。しかし、駅のホームに降り立つと、そこには期待していた賑わいはなく、何もない殺風景な光景が広がっておった。主人のやつも「あれ?」と首を傾げ、Googleマップを見ては唸っておる。どうやら、活気があるのは一つ先の「京急横須賀中央駅」の方らしい。しまった、いつものリサーチ不足である。

とは言え、今さら引き返すわけにもいかぬ。主人は「まあ、これも旅の醍醐味だ!」などと、都合の良いことを言いながら、海沿いをてくてくと歩き始めた。炎天下である。灼熱の太陽が容赦なく照り付け、アスファルトからはゆらゆらと陽炎が立ち上る。我輩の蹄は、まるで鉄板の上を歩いているかのように熱かった。主人のやつは、いつもほとんど水分を摂らぬ男である。この灼熱地獄でも、喉の渇きを訴えることなく平然と歩いておる。一体、彼の水分代謝はどうなっておるのか。私はひそかに彼の体質に疑問を抱いたものである。

魚たちの饗宴と、戦艦の威容

しばらく歩いていると、主人が突然「おぉ、エイが泳いでいるぞ!!」と、感嘆の声をあげた。

浜金谷でクロダイに夢中になっておったように、やはり彼は魚が好きらしい。しかし、その喜びも束の間、さらに進むと、護岸沿いをクロダイが何匹も優雅に泳いでおるではないか! それも一匹や二匹ではない、群れをなして悠々と泳ぐ姿は、まるで我々を歓迎してくれているかのようであった。これには主人のやつも暑さを忘れ、童心に帰ったかのように「すげぇ、すげぇ!」と、はしゃいでいた。まさか、横須賀でこれほど多くのクロダイに会えるとは、想像だにしていなかった。

そして、その奥には、目的の戦艦が堂々と停泊しておるではないか!

海に浮かぶ鋼鉄の巨体は、まさに圧巻の一言である。

これだけでも、今日の旅の収穫はあったと主人は呟いておった。さらにその時、水面からゆっくりと姿を現す潜水艦を発見!

主人は「凄いなぁ…」と、またしても感嘆の声を漏らしておる。なるほど、軍艦巡りをするのであれば、JR横須賀駅で降りるのが正解であったようだ。しかし、我々はクロダイという予期せぬ喜びを得たのだから、これで良しとしよう。

海軍カレーか横須賀バーガーか、悩めるグルメ選択

時刻はすでに昼時を過ぎていた。朝からアイスコーヒーしか摂っておらぬ主人のやつは、「やはり、横須賀に来たからには海軍カレー横須賀バーガーが食べたいなぁ」と、腹の虫を抑えきれない様子である。しかし、目の前にあるのは戦艦ばかりで、飲食店らしきものは見当たらぬ。仕方なく、我々は炎天下の中、戦艦「三笠」のある場所まで歩くことになった。主人のやつよ、我輩の体力も考えて欲しいものである。JR横須賀駅からここまで、恐らく三十分近くは歩いたであろうか。さすがの我輩もヘロヘロである。しかし、この男の食への執念たるや、感服するほかない。

戦艦三笠の威容と、相変わらずの不可解な行動パターン

バルチック艦隊を破った東郷平八郎

ようやく、目的地である戦艦「三笠」が見えてきた。その堂々たる姿は、歴史の重みをひしひしと感じさせる。主人のやつは、三笠の説明書きを食い入るように読んでおった。三笠は、明治時代に建造された戦艦で、日露戦争では連合艦隊旗艦として、バルチック艦隊を打ち破るという輝かしい活躍をしたという。まさに日本の近代史を象徴する存在である。

しかし、ここでまたしても主人の奇妙な行動が炸裂した。三笠の艦内に入るには入場料六百五十円が必要なのだが、主人は入口まで来たにもかかわらず、なぜか中へは入ろうとしない。浜金谷の鋸山といい、この三笠といい、せっかくここまで来たのに、直前で計画を反転させるのはいつものことである。六百五十円をケチったのか、それとも別の理由があるのか、私には知る由もない。

その代わりとばかりに、主人は三笠の絵柄が入ったタオルを八百円で購入していた。艦内には入らずとも、形だけでも持ち帰るという、相変わらず行動パターンが不明な男である。私は「なんとも人間とは奇妙な生き物よ」と、内心ため息をついたものである。

横須賀バーガーの実力、そして疲労困憊の帰り道

三笠を後にして、我々は昼食を求めて「横須賀ポートマーケット」へと向かった。

ここには地元のグルメを堪能できる店がいくつか入っているようである。様々な飲食店が軒を連ねる中、主人は目当ての「Honey Bee」というハンバーガー店を見つけた。

横須賀バーガー」の看板に誘われるように、主人は躊躇なく入店し、一つ注文した。値段は千二百円。注文を受けてから焼くため、提供までには少々時間がかかったが、その待つ時間も期待感を高める。

そして、目の前に現れたハンバーガーは、まさに圧巻であった。分厚いパテに、シャキシャキのレタス、トマト、そしてとろけるチーズ。

主人は大きな口を開けて、豪快にハンバーガーにかぶりついた。その瞬間、彼の顔に満面の笑みが浮かんだ。

実にうまいのだった

「う、うまい! これが横須賀バーガーの実力か!」

私も主人の咀嚼音を聞きながら、その美味さを想像した。主人のやつは、とりわけレタスに感動しておった。

「レタスが、実にしょっぱくて旨いのだ! パテも申し分ない。これほどまでに旨いハンバーガーを食したのは、いつ以来であろうか…」

彼は、一口食べるごとに「旨い」「素晴らしい」と、まるで美食家のような唸り声を上げておった。普段、食にそこまでこだわりを見せない主人が、ここまで感動するとは。よほどこのハンバーガーは美味かったのであろう。巷に溢れるただのハンバーガーとは一線を画す、本物の味わいであるに違いない。

旅の終わり、そして次の予感

大満足の昼食を終え、我々はここからまたしても「京急横須賀中央駅」まで歩くことになった。主人はすっかり満腹になり、先ほどまでの活気が嘘のように、足取りが重そうである。私も、朝から炎天下を歩き回った疲れがどっと押し寄せ、ヘロヘロであった。しかし、主人のやつは、疲労困憊の私を尻目に、まだ何か次の計画を立てているような顔をしておる。

ようやく京急横須賀中央駅に到着し、電車に乗り込んだ我々は、一路東京方面を目指した。座席に深く身を沈めると、今日の旅の思い出が次々と頭の中を駆け巡った。中目黒の優雅なカフェから、炎天下の横須賀へ。クロダイとの予期せぬ出会い、そして雄大な戦艦の姿。三笠を前にした主人の奇妙な行動、そして何よりも、あの絶品の横須賀バーガー。夏の思い出というのは、いつまでも色褪せることなく心に残るものである。

帰りの電車の中、午睡と疲労が入り混じる中で、私は夢を見ていた。夢の中では、主人がまたしても突拍子もない旅を企画しておった。やれやれ、この男に連れ回されるのは、まだまだ続きそうである。横須賀近旅はこれで終わりだが、きっとまたすぐに、新たな珍道中が始まるのであろう。

投稿者プロフィール

モウモウ
モウモウ大富豪になっても結局食と旅
吾輩は牛である。 名はモウモウである。 なんでも自由ヶ丘というハイカラな街のきらびやかなショーウィンドーの中でもうもう泣いていたことだけはとんと記憶している。

もっと詳細が知りたいもの好きなあなたはプロフィール欄の記事を読んで欲しい

にほんブログ村:押してもらえると嬉しいです

東京食べ歩き:読んだ印に押してもらえると拡散します

旅行ブログ:読んだ印に押してもらえると拡散します

カフェ:押してもらえると記事が拡散されるので嬉しいな

吾輩を押してもらうと喜びます

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

友達にもシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次